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髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<後編>

September 20, 2019

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プログレの話になるや否や、身を乗り出して熱く語り出す髙嶋さん。ハードロック、ロンドンパンク、ニューウェーブ、日本のアンダーグラウンドなパンクシーンにまでアンテナを張り巡らしていたのだ。マニアックな音楽体験を開陳していただいた前編に続き、後編ではいよいよ革ジャン愛についてお話いただいた。

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<後編>

20世紀最高の俳優と伝説的バンドのギタリスト


――さて、音楽の話だけでインタビューが終わってしまいそうなので、そろそろ革ジャンの話をお願いしたく(笑)。髙嶋さんが思う革ジャンを着たヒーローとは?


 


「革ジャン姿が一番カッコイイと思う男は、マーロン・ブランドですね。自分が俳優デビューしてからしばらく経った頃、一連の“ゴッド・ファーザー”作品にのめり込んでいた時期があったんです。その時に父親が勧めてくれた映画が、若き日のマーロン・ブランド主演である『乱暴者』でした。革ジャンの着こなしはもちろんですが、あえて背中側から撮影させたりする演技も斬新で、俳優としても勉強させられた映画ですね。それから、革ジャンといえばやっぱりパンクですね。僕にとって革ジャンを着たカッコイイパンクスといえば、セックス・ピストルズのスティーブ・ジョーンズ。黒いダブルのライダースジャケットにボロボロのジーンズというスタイルですね。大人になってからは、ルー・リードの革ジャン姿にしびれました。“NEW YORK”というアルバム(1989年発表)を発表した頃でしたね。レザーコートを都会的に着こなした姿は、それまでのパンクとは違う大人の色気がありました」

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<後編>

バブル絶頂期に大人から学んだ色気あるレザー


――今回髙嶋さんに選んでいただいたのは、定番の黒ではなくボルドーとダークグリーンですね。


 


「ルー・リードに影響されていた頃は、ロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーにも衝撃を受けましたね。色気のある大人の不良というのは、こういうことなのかと。また、食においてはイタリアンが大流行した時期でもあり、レストランに来ていたイタリア人の着こなしが本当に新鮮でした。今回選んだダークグリーンやボルドーはもちろん、マスタードやキャメルカラーなど、黒じゃないレザーの方が多いくらいでした。そんな影響もあって、色のあるレザーに惹かれるようになったのですね。あの頃クラブに行けば、スタイリスト、デザイナー、モデルがたくさんいたものです。『もう反抗の時代は終わった、これからは遊びなんだ!』っていう雰囲気に満ちていて、まさに狂乱の時代でしたね。その頃、人気のブランドと言えば、メンズビギ、タケオキクチ、ジュンメン、ヒロミチナカノ、ヨウジヤマモトでしたね」

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<後編>

身体に馴染む感覚と独特な匂いがレザーの魅力


――メンズビギから派生したストリートブランドが、今回着用していただいたラトルトラップなのですが、本日着用した革ジャンについて感想を教えてください。


 


「柔らかなレザーの質感、そして何よりパターンがいいですね。アームホールが狭くて、袖丈が短めだからすっきり上半身にフィットしてくれる。やっぱり革ジャンはゆとりのあるサイジングだと、野暮ったく見えてしまう。だから、パツンパツンになるくらいタイトに着たいんです。革が自分の身体に馴染んで、第二の皮膚になる感覚。アレが本当に好きなんですよね。レザー特有の匂いもいい。レザーショップに入ったときの、野球のグローブのような匂いがたまらなく好きなんです。キッスのファンクラブ会員限定で販売していた革ジャンをはじめ、ネイビーやグレーのシングルライダースなど、思い入れのある革ジャンが今でもクローゼットにたくさんあります。原田芳雄さんの影響を受けて25年前くらいに買ったクロムハーツの朱色のレザーシャツもそうですね。シャツといっても地厚なレザーに大きなシルバーのボタンが付いた、もはや革ジャンですけどね。そうした愛着のある革ジャンに、ミンクオイルを隅々まで塗って馴染ませています」

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<後編>

どこまでも自由に楽しむ髙嶋流レザースタイル


――最後に、髙嶋さんがオススメする革ジャンの着こなしについて教えてください。


 


「そりゃあもう、ロックTとスリムジーンズの組み合わせですよね! 今日はスニーカーですけど、もちろんブーツもいいです。それから、“MORE THAN THIS”のブライアン・フェリーのように、ドレスシャツとボウタイを合わせるのもカッコイイ。カマーベルトを加えて、フォーマルのように革ジャンを着てパーティに出席するというのもロックですね。身体を鍛えている人なら、素肌にレザージャケットを合わせるのもいい。そう言えば昔、ヴィレッジ・ピープルが、よく赤坂でライブをしていたらしく、素肌の上にレザーやファーを着ていたそうです。それを真似した日本人の一団が、ロールスロイスを乗り回しながら赤坂や六本木に出没していたそうです。以前、革ジャンと革パン姿で、市村正親さんの控え室へ挨拶に行ったとき、『だからお前はゲイに間違えられるんだよ!』と言われたこともありましたよ。全然そんなことないんですけどね。とにかく、そういう気分ならそう思われてもいいんですよ(笑)。カッコイイ男に近づきたいのなら革ジャンは避けて通れないアイテムですから、自由に楽しんでほしいですね」

髙嶋政宏さん着用


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Profile


たかしままさひろ■1965年生まれ、東京都出身。大学在籍中に映画『トットチャンネル』で俳優デビュー。以降、映画はもちろん数々のテレビドラマや舞台にも出演し、幅広い役柄に挑戦。俳優として輝かしい受賞歴を誇ると同時に、熱烈なロックファンであることからBS朝日で放送中の音楽番組『My Anniversary SONG』(毎週金曜放送)の司会を務めるなど、幅広いフィールドで活躍中。


 


Information


■舞台


『PURGATORIO/プルガトリオーあなたと私のいる部屋ー』


10月4日(金)から14日(祝・月) 場所:東京芸術劇場シアターウエスト


■ドラマ


『令和元年版 怪談 牡丹燈籠』プレミアムドラマ全4話 


10月6・13・20・27日、日曜夜10時から、NHK BS プレミアムで放映


 


撮影/橋本憲和 インタビュー&文/川瀬拓郎