MAGAZINE

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<前編>

September 18, 2019

画像1

日ごとに涼しくなってくる初秋から冬本番まで、長いレンジで活躍するレザージャケットは、ラトルトラップが得意とするアイテム。そしてレザージャケットと言えば、やはりロックカルチャーとは切っても切り離せない存在。そこで今回は、芸能界きってのロック通であり、バラエティ番組での歯に衣着せぬ発言や、自らの性癖を綴ったエッセイ『変態紳士』の執筆など、何かと話題の俳優・髙嶋政宏氏にご登場いただいた。ロックとレザーへの偏愛ぶりをとくとご覧あれ。


 

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<前編>

ロックと革ジャンに目覚めた早熟の小学生


――まずはロックへの目覚めと当時の思い出についてお聞かせください。


 


「僕が子供だった時代は情報源が限られていて、レコード屋に行くかテレビで観るかのどちらかしかなかったのです。今みたいにスマホもネットもないし、ましてやミュージック・ビデオすらない状態でしたからね。生まれて初めてロックを意識したのは、小学生の頃にテレビで観た、ダウン・タウン・ブギウギ・バンド。そのとき、宇崎竜童さんが黒いダブルのライダースを着ていたことを鮮明に覚えています。それからというもの、駅前のレコード屋に足繁く通うようになったわけです。当時は、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、エアロスミスといったハードロック全盛期。中でも、店長が勧めてくれたキッスに衝撃を受けたんですね。1977年のヤング・ミュージック・ショー(1971年から1986年まで、NHK総合で不定期放送されていた音楽番組)でキッスのライブを観て、奇抜なメイクとパフォーマンスに圧倒され、“これぞロックだ!”と興奮しましたね」

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<前編>

ハードロックとパンクという2つの洗礼


「ハードロックに衝撃を受けたほぼ同時期に、ロンドンで巻き起こったパンクムーブメントにも大きな影響を受けました。その代表的なバンドと言えば、当然セックス・ピストルズですが、実はマルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドが生み出した、世紀のペテンでもあったわけです。街にたむろしていたそこら辺の若者に目をつけて、アルバムでは彼らが演奏しているかのように見せて、実際は凄腕のギタリストのクリス・スペディングに弾かせたり。まだ無知な小学生にとって、パンクと言えばセックス・ピストルズであり、彼らが解散したらパンクも終わったと…。今改めて考えればそんなことはないのですが、完全にメディアに踊らされていたんですね。ザ・クラッシュ、バズコックス、ザ・ジャム、ストラングラーズとか、音楽性も歌詞も全然違うのにパンクでひと括りにされていましたからね。ニューヨーク・パンクという別の流れもありましたし、ピストルズだけがパンクじゃないのですが、子供だった僕には理解できなかったんですね」

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<前編>

アングラパンクシーンへの接近と幻滅


「友達のお兄さんがボルシーというパンクバンドのベーシストで、パンクはもちろんニューウェーブまであれこれ教えてくれたんです。それから、当時原宿にスマッシュというパンクショップがありまして、そこで最新の情報を知ることができました。当時のパンクスの間では、ハードロックやプログレを聴いていると口外するのはご法度でした。ツェッペリンが好きだなんて言ったら、『お前はパンクじゃない!』と。後に俳優になってから、不正療法というバンドの練習テープを入手することができたのですが、彼らはツェッペリンの曲を演奏していたんですよ。パンクと言っても、実際はみんなハードロック聴いていたんですよね(笑)。それから、僕が日本で一番好きなパンクバンドであるフリクションのレックさん(ベーシストであり中心人物)を紹介してもらい、お話しする機会があったんですが、僕が『ビートがブレイクする瞬間がツェッペリンに似ていますよね』と言ったらレックさんが怒ってしまって、その後、ひと言も喋ってくれなくなってしまったんです。そんな事件があった後に、二人組になったフリクションのライブに行ったら、あんなに尖っていたレックさんが、観客に手を振りながらステージに出てきたんです。もう時代は変わったんだなと、ショックでした」

髙嶋政宏が語る、変態ロック愛とレザー<前編>

3枚の名盤との出会いが人生を変えた


「先ほど触れた友達のお兄さんから、『パンクもいいけど、こういうのも聴け』と教えられたのが3枚のアルバムでした。キング・クリムゾンの“レッド”、“キング・クリムゾンの宮殿”、そしてピンク・フロイドの“アニマルズ”です。今改めて考えると、この順番も重要なんですね。とにかくレッドは名盤中の名盤。人間が神の領域に最も近づいた音楽といってもいいでしょう。当然、イエス、ジェネシス、エマーソン・レイク・アンド・パーマーも聴き漁りました。でも、ジェネシスはフィル・コリンズがリーダーになっていた頃で、もうほぼポップスなんです。やっぱりジェネシスは、ピーター・ゲイブリエルじゃなきゃダメなんです。ガブリエルじゃなくて、ゲイブリエルですからね(笑)! 当時はイギリスのプログレばかりでしたが、30代以降は世界各国のプログレを聴くようになり泥沼の世界に入っていきました」


後編(9月20日配信)へ続く

髙嶋政宏さん着用


シングルライダースレザージャケット【WEB限定カラー追加】
 ¥29,000+tax


 


Profile


たかしままさひろ■1965年生まれ、東京都出身。大学在籍中に映画『トットチャンネル』で俳優デビュー。以降、映画はもちろん数々のテレビドラマや舞台にも出演し、幅広い役柄に挑戦。俳優として輝かしい受賞歴を誇ると同時に、熱烈なロックファンであることからBS朝日で放送中の音楽番組『My Anniversary SONG』(毎週金曜放送)の司会を務めるなど、幅広いフィールドで活躍中。


 


Information


■舞台


『PURGATORIO/プルガトリオーあなたと私のいる部屋ー』


10月4日(金)から14日(祝・月) 場所:東京芸術劇場シアターウエスト


■ドラマ


『令和元年版 怪談 牡丹燈籠』プレミアムドラマ全4話 


10月6・13・20・27日、日曜夜10時から、NHK BS プレミアムで放映


 


撮影/橋本憲和 インタビュー&文/川瀬拓郎